将棋の楽しさについて考えてみる

ざっくりいうと

・将棋の思考法は応用が可能

・3手先まで読むことができればとりあえず楽しい

・5手先7手先まで読むことは難しいがはまると快感

 藤井新棋聖が誕生しました。経験が浅いはずの17歳がベテランたちを倒していく姿に時代の変化を感じた棋戦でした。

自分が若かったころは中原16世名人や大山15世名人が経験を基にした将棋を指し若手を圧倒していました。コンピューターやAIといった技術が無かった時代は様々な棋譜を参考にして定跡を基にした研究によって勝敗が決まっていたのだと思います。その結果長い期間研究を行っているベテランが有利に立ち回っていた印象があります。

 そのベテランに割って入る勢力が一定数でてきたのは、谷川浩司9段羽生善治9段世代あたりからだと思います。定跡そのものを無視した差し回しでベテラン勢が短手数で負けていくのを目の当たりにして将棋その物の奥深さを感じた記憶があります。

 AIの登場によって藤井新棋聖は飛躍的に強くなっていったと予測できるのですが、それはAIの差し回しを完全に盗んで記憶し強くなったものではないと感じます。

 藤井新棋聖が短期間でベテランの棋士たちを超えていけた背景には、AIを活用したことで無駄だと思われる定跡や差し回しを省き、中盤までの差し回しを負けない戦型にできるまで持っていけることが出来るようになったのではないかと考えています。

 藤井新棋聖は逆転が多い棋士として有名です。逆転が多い理由は詰将棋選手権5連覇を果たしているほど終盤に強い棋士だからです。


藤井新棋聖が行ったと思われる戦略は

1 AIによる分析で無駄な定跡や戦型を省き、負けない序盤中盤の選択を探り当てた

2 徹底した終盤力の強化、詰将棋力の強化

だと予想します。


 これらの戦略は当たり前のことだと思いますが、人間ですので最初に覚えた戦法、何度か勝てた戦法など捨てきれないものです。昔のベテランの強みはこの得意戦法を鍛え上げ誰よりも研究しているところに強さがあったのだと思います。それが今では敗因となっていることに面白さがあります。

 それをAIによってバッサリ切り捨て、負けにくい戦法を選択していくことで終盤力で勝利することが一番勝率を上げる方法なのだと推測できます。


 これは実際のビジネスの世界でも応用できる戦略だと考えます。AIによる分析を行い確率の高い戦略を覚えて実行する。将棋の終盤力に代わるものとして自分の強みを作る。それはブランディング・資格・スピード・資金力・技術力・情報力・組織力などの説得材料です。


 将棋の思考法の基本は3手先を読むことです。自分が1手指すことで相手がどういった手を返してくるか予想し、3手目にさらに返し技を指す、という思考法です。

 現実の世界で良く行われている3手先を読む事例は、接待を行う→相手が負い目を感じる→少し無茶な仕事を頼んでも負い目があるので仕方がないので受ける、という大小様々な人間関係の基礎と一致します。

 この3手先を読めない人は、逆3手詰を行います。何も考えず感情に任せて怒る→相手は面倒くさい人だと思い距離を置く→お願いしたいことがあるけど話も聞いてもらえない、という最初の1手は自分のストレス発散や利益の為に行動し、その結果損をするという構図になります。

 これが5手先7手先を読むことでさらに楽しくなります。もちろん将棋の世界ではまった時の快感も癖になります。自分と同じくらいの棋力の人を探し何度も戦略を実行しはまった時の快感は実世界ではなかなか味わえないので藤井新棋聖をみて興味を持った方は将棋を始めてみてはいかがでしょうか。

永見電気管理事務所

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